暴言やDVを繰り返す夫が離婚調停を申し立て、弁護士が相手方弁護士と交渉し、養育費や財産分与で妻の要求を認めさせた事例
AさんはBさんと結婚しましたが、結婚直後からBさんの暴言・暴力がありました。子供を妊娠中にもDVはありましたが、二人の子供に恵まれました。Bさんは子供たちが中学生になったころから、「子供が高校を卒業したら離婚する。」と言うようになりました。
Aさんは、子供のためにBさんのDVに耐えてきましたが、Bさんは子供が高校在学中に家を出て行き、離婚の調停を申し立てました。
Aさんとしては、DVを繰り返すBさんとの離婚には異存がないのですが、子供たちとの生活や子供たちの将来の学費や養育費について不安がありました。
Aさんは、当事務所のことを知り、調停をどのように進めたらよいかを相談に来られ、弁護士と面談の後に今後の交渉を委任されました。
弁護士は、Aさんから結婚生活の状況や財産分与についての要望を詳しく聞き取り、調停に臨みました。
Aさんの財産分与における強い要望は二つありました。ひとつは現在住んでいる住宅を自分の名義にして、子供たちとの生活を安定させたいこと。もうひとつは子供たちの将来用として貯めてきた預金を、共有財産として分割せずに子供たちのために使うように残しておきたいということでした。
弁護士はこのことを調停で強く主張し、相手方弁護士と交渉を繰り返しました。子供用の預金については早い段階でBさんも同意しました。
持ち家の所有権の一部はAさんのもので残りは共有財産でしたが、Bさんの所有権分をDVに対する実質的な慰謝料としてAさんに渡すことを強く弁護士が主張し、Bさんも最終的に受け入れました。
子供たちの養育費は、Bさんが子供たちの大学卒業まで支払うことでお互いが合意しました。
結果的に、Aさんは住んでいる住居を所有して、毎月定額の養育費を受け取り、積み立てていた教育資金はそのまま子供たちの教育のために使うことができるようになりました。
Aさんは、長い間の夫からのDVから逃れ、子供たちと安定した生活に踏み出すことができて満足されていました。