事件処理方針~離婚事件~
最近、離婚する夫婦がとても増えています。自分の周りでも、離婚をしている人は何人かすぐに思い当たるでしょう。
一昔前であれば、「世間体」を気にしたり、子供のことを考えて、耐えてがまんをしていたことでも、最近は簡単に離婚に踏み切ってしまう傾向にあります。それだけ、離婚に対する抵抗がなくなってきているのです。離婚は、もう珍しくないのです。
しかし、離婚をするときには、決めておかなければならないことがあります。①親権、②養育費、③財産分与、④慰謝料、⑤面会交流については、必須です。
これをきちんと決めないで離婚をしてしまうと、母親の場合、生活費がなくて子供を抱えて困窮しますし、子供にきちんとした教育を付けることもできなくなってしまいます。
また、父親の場合、面会交流について決めなければ、子供と会うことが非常に難しくなってしまいます。さらに、夫婦共有の自宅があると、財産分与をせずに名義を共有のままにしておくと、将来これを売却したいと思っても、離婚した相手方に印鑑をもらわなければなりませんから、スムーズにいかず大変苦労することになります。
しかし、あまりこのようなことを重視せずに、勢いで離婚をしてしまう夫婦もあります。 「とにかく早く別れたい」という気持ちはわかりますが、子供がいる場合は特に、将来のことをきっちりと決めておくことをお勧めします。
弁護士に相談することで、自分のケースでどのような離婚条件にすればよいか、道筋を付けることができます。私は、相談者には、できるだけ本人が不利益を被らないように、その人の立場に立ったアドバイスをしています。「正しい離婚」をしてほしいという思いで、離婚事件に取り組んでいます。
「離婚を考えている女性の方へ」
当事務所へは、たくさんの女性が離婚の相談に来られます。
夫の暴力がある場合はもちろんですが、そうでない場合でも、毎日の生活で「オレの言うことを聞け」「おまえの考え方はおかしい」など言われ続け、精神的に疲弊してしまっている女性もいます。あまりに夫に毎日言われるので、自分の考え方は合っているのかどうかもわからなくなってしまう女性もいます。涙ながらに毎日のつらさを述べられるのです。
そういうとき、私が「あなたは間違っていません。ご主人の言われることがおかしいですよ」と言うと、みなさんホッと安堵され、笑顔が戻ってくるのです。
女性側が一番心配なのは、「離婚後の生活」です。これまで一緒に暮らしていた夫の収入がなくなるわけですから、将来の生活に不安が残ります。
当事務所では、そのような女性の立場に立って、離婚後の生活を第一に考え、養育費と財産分与を確実に受けることに重点を置いています。
話し合いで解決できる事案であれば、原則として公正証書を作成します。というのも、当事者同士の私的な書面があったとしても、それを男性側が守ってくれない場合、女性側は一から裁判をしなければなりません。これは、費用や時間、労力からして、非常に無駄が多くなります。
公正証書を作っておけば、男性が養育費の支払いを継続する可能性が高まりますし、仮に支払いを怠った場合も男性の給料を差し押さえるなどして、確実に養育費を取れるようになります。 自宅について妻が財産分与を受ける場合は、所有権移転の不動産登記も同時に行います。また、最近は年金分割を希望する女性も多いので、この場合も公正証書を作成して、手続きを確実に行います。
話し合いで解決できなければ、調停へ移行します。裁判所で手続きが行われるので、最初は頑なであった夫も、調停が進むにつれて離婚に同意するようになったり、妥当な養育費で話がまとまったりするのです。
女性側は、今後の生活を見据えて、しっかりと生活資金を確保しなければなりません。当事務所では、常に依頼者のそばに寄り添い、励ましながら、女性のならではお金の悩みを解決いたします。
「離婚を考えている男性の方へ」
当事務所へは、離婚を考えている男性の相談もたくさん受けています。
たいていの場合、男性には妻と子供がいて、妻と養育費や財産分与でもめています。中には、離婚自体に妻が同意してくれないケースもあります。
男性側が「一刻も早く離婚をしたい」と考えていても、妻が不当に高額な条件を出してきたら、なかなか話し合いはつかないでしょう。また、不貞行為など、妻に問題がある場合でも、子供の健全な成長を考えると、親権はどちらが持つべきか、今後妻を子供の関わりをどのようにすればよいか、財産分与はどのようにすればよいか、など考え出すとキリがありません。
多くの場合、夫婦で話をしていても、どうしても感情的になって、大事なことを決められません。こういう時、弁護士という第三者を立てて話をすることで、解決にいたることも多いのです。
状況により、夫婦の話し合いに弁護士が同席して、内容を詰めていくこともあります。その結果、お互い冷静に話ができるようになります。最終的に公正証書で離婚合意書を作成することもあります。
さらに、裁判所の調停を利用することもあります。そのような場を設定することで、妻の側も次第に冷静な話し合いができるようになります。当初、妻側が離婚について強硬に反対し、調停の中でも感情的になって怒ったり泣いたりしていても、ねばり強く調停での話し合いを続けることで、最終的には離婚に合意して、解決できることも多いです。
当事務所は、どのように離婚をすれば、依頼者が一番幸せになれるか、ということを常に考え、解決に全力を尽くします。